平成26年10月29日(水)第9回月例セミナーを開催しました。講師は駐日ミャンマー連邦共和国 特命全権大使 キン・マウン・ティン閣下、「今後の日・ミャンマー関係発展の方向性」と題してご講演をいただきました。
講演に先立ち、日本・ミャンマー友好議員連盟の逢沢一郎会長より、「ミャンマーは国連加盟国190余国の中で、最も期待感・注目を集めている国であると言っても過言ではなく、また歴史的にも日本との縁が深い、親日国の筆頭であります。つい先般、ミャンマー政府が同国内での営業許可を与えた9つの外資銀行の中に日本の3メガバンクが同時に入ったことや、他にも日本との関係が個別具体的に着実に進んでいることに関する大使閣下のご支援に対し、この場を借りて厚く御礼申し上げます」とのご挨拶をいただきました。
講演では、ミャンマーの人々、宗教、文化、言語、政治システムなどの「基礎的な情報」、輸出入の状況、金融システム、各セクター(林業、電力、農業、鉱業、エネルギー、漁業)の投資機会などの「経済・ビジネス」、自然や文化などの「観光」、外交関係樹立からちょうど60年を迎えた「日本・ミャンマーの関係」などについて、Power Point資料を用いながら述べられました。
講演後の質疑応答では、会場よりダウェー経済特区に関して、「タイからの情報によると近いうちに工事業者が決定し、本格的に工事が始まると言われているが、その辺の情報や、ミャンマー政府から日本政府に対する協力要請状況についてお伺いしたい」との質問が寄せられました。それに対し大使からは、「以前にタイの首相とお会いした際、近いうちに工事が始まると聞きました。ダウェー港の工事には、イタリアの企業が参画すると聞いていますが、技術が伴わないため今年中にはその話は進まないと思います。港に続く道路や鉄道については、建設を進めています。ダウェーはミャンマーとタイの二国間だけではなく、近隣諸国にとっても非常に重要な場所です。もしダウェーの工事がうまくいけば、タイに進出している日本企業がインドやアフリカなどに製品を輸出するのに都合の良い状況となります。ダウェーの開発について、日本からは『約束はしていないけれども、興味はある』という話を聞いています。日本にも、ぜひお手伝いしていただきたいと思っています」と回答を締めくくられ、閉会しました。