謹賀新年 今年もよろしくお願い申し上げます。
■一般財団法人「外国人材共生支援全国協会」NAGOMi設立
武部会長「コロナ禍で外国人材の育成・保護・支援と共生社会実現に寄与」
グローバル人材共生社会の環境整備を推進する一般財団法人「外国人材共生支援全国協会」NAGOMi(National Association for Global & Open Minded Communities)が2020年10月8日に設立しました。同7日に開催された設立総会=写真、前列左から2番目が武部会長、3番目が顧問の二階・自民党幹事長=でNAGOMi代表理事会長に就任した武部勤・東亜総研代表理事会長は「近年、『日本の国柄』に憧れ、日本で働きたいと期待を寄せて訪れるアジアの若者が増えています。全世界を襲ったコロナ禍で路頭に迷う外国人が続出し、政府も技能実習生の実態把握に苦慮しています。自民党の二階俊博幹事長から『政府と緊密に連携し、技能実習生を適切に保護するために、監理団体の全国組織を設立してはどうか』と示唆があり、NAGOMiの設立を期し、運動を始めた次第であります」と挨拶し、「グローバル人材共生ネットワーク」を全国各地域に展開し、外国人材を適切に育成・保護・支援するとともに、差別のない多文化共生社会の実現に寄与したいと強調しました。
趣意書によると、NAGOMiの役割は(1)「アジアの安定と日本の持続的成長」のために、迎え入れる若者たちの立場にたって外国人材受け入れ政策を確立し、「共存共栄のアジア新時代」のために、一翼を担って貢献する(2)「技能実習制度と特定技能制度を一貫性ある制度」に改革し、「人材育成」、「人材確保」、「国際貢献」を共通の基本目的とするとともに、生活者の視点を重視し、キャリアステージに合わせた選択幅のある在留資格制度にする(3)悪質なブローカーや企業・団体から外国人材を守り、健全な企業等に配属される外国人就労システムを定着させる――としています。
全国8ブロック協会を拠点に会員募る
NAGOMiの理事副会長には梅田邦夫・日本経済研究所上席研究主幹(前駐ベトナム大使)、金森仁・国際人材育成機構会長、畩ヶ山幹雄ティー・アイ・シー協同組合代表理事が就任しました。梅田副会長が委員長を務める政務調査委員会のほか、会員組織委員会(審査委員会)、会務財政委員会、広報研修委員会の4委員会で構成され、北海道から九州・沖縄に至る8ブロック協会を拠点に、技能実習生制度の監理団体、特定技能制度の登録支援機関、人材紹介・派遣機関、外国人材受入機関(企業・団体等)、外国人材送り出し機関などを対象に会員を募り、「共に活躍できるグローバル人材共生社会」を目指しています。顧問として新たにカンボジアPKO派遣文民警察隊長やインドネシア国家警察長官政策アドバイザーの経験を持つ山崎裕人・全日警専務取締役が加わりました。
「グローバル人材共生推進議員懇話会」も発足
11月13日に「自民党外国人労働者等特別委員会」(外特委)が開催され、NAGOMiからも意見を求められ、帰国困難者や保護を必要とする外国人材の現状を述べ、緊急の対策を要請しました。その結果を反映した外特委の「緊急提言」(11月20日)がまとめられ、政府へ提言がなされました。
11月18日には二階幹事長を迎えて「グローバル人材共生推進議員懇話会」(河村建夫会長)のキックオフ会=写真=を開催しました。12月10日の第1回勉強会には、同懇話会の国会議員、関係省庁の担当者、NAGOMiメンバーが出席し、技能実習制度と特定技能制度の現状把握を集中的に行いました。第2回は1月中旬に開催され、現状の問題点を分析し、さらに論点の整理を行って政策提言につなげる予定です。
■NAGOMi クラウドファンディングで緊急支援
目標額上回る387万5千円 2団体通じて苦境にあるベトナム人を援助
一般財団法人「外国人材共生支援全国協会」NAGOMiは、コロナ禍で苦境にあるベトナム人を保護・支援している一般社団法人「在日ベトナム仏教信者会」(ティック・タム・チー会長、埼玉県)とNPO法人「日越ともいき支援会」(吉水慈豊会長、東京都)の活動を支援するための緊急活動として、クラウドファンディングのプロジェクトを立ち上げ、支援を募りました=写真はクラウドファンディング・プロジェクトのホームページから。
緊急支援のきっかけは、コロナの影響で、夢と希望を持って来日したベトナム人留学生や技能実習生たちが授業料を払えずに語学学校を退学になったり、仕事や住居を失ったなど困難な状況に陥って生活苦から犯罪に手を染めてしまったなどの厳しい現状に対処するため、クラウドファンディングで募った支援金で援助しようということです。プロジェクトは12月17日にスタートし、1月5日現在、クラウドファンディング目標額の200万円を超える387万5千円に達しました。支援者は216人にのぼりました。プロジェクトの支援金全額はベトナム大使館の立ち会いのもと2団体を通じて、困窮したベトナム人の住居、食料、必要生活資金または帰国資金に充てられます。支援者には支援を受けたベトナム人から日本語の感謝の手紙やビデオ・メッセージなどが送られます。
■武部会長、訪越報告(11月25日~28日)
ズン官房長官に定期便の早期再開要請と帰国希望ベトナム人の現状報告
武部会長は11月25日から28日までベトナム・ハノイ市を訪問し、ベトナム政府のマイ・ティン・ズン官房長官はじめ政府高官や要人と会談しました。
武部会長は26日、ズン官房長官と会談し=写真=、(1)日越間の商用往来が再会しビジネストラックのおかげで来越できた(2)技能実習生を含む在日ベトナム人の帰国希望者は現在26,000人であり、ベトナム側でのすみやかな受入体制を期待する(3)日越大学は菅義偉首相の訪越時のスピーチや学生との懇談などで大きく進展してきている(4)定期便の早期再開が最大のテーマである。二階幹事長からはフック首相に向けた親書が届いている――と伝えました。これに対し、ズン長官は菅首相の訪越で日越パートナーシップは順調に発展し、「(菅首相がスピーチを行った)日越大学は日越間の最大のテーマである」と述べました。武部会長は一般財団法人「外国人材共生支援全国協会」NAGOMiについても説明しました。帰国後、ズン長官らベトナム政府高官の対応ついて、自民党、関係省庁に伝達し、対応を促しました。
3月6、7日 第7回JVFオンライン開催の協力求める
一方、武部会長は26日、チャン・ビン・ミン・ベトナム国営放送(VTV)会長と会談し、2021年3月6、7日予定の「第7回ジャパン・ベトナム・フェスティバル(JVF)」を開催するにあたり、VTVと日本のNHKが協力してオンライン開催する旨を提案しました。ミン会長はオンラインであれば、在宅で多くの国民が日本とベトナムを感じることができるなどと全力で協力することを約束しました。
武部会長は26日、JVFについてグエン・ゴック・ティエン文化・スポーツ・観光大臣にオンライン開催の企画提案書を説明し、「これからはハードよりもソフトパワーの時代であり、文化・スポーツ・観光省の役割が高まっていく」とベトナム側アーティストの出演などで協力を求めました=写真=。ティエン大臣からは「分断を融和する絶好のイベントであり、オンライン開催がふさわしい。アーティストの紹介は承知した」と答えました。
ベトナム海外労働者派遣協会とのネットワーク化
武部会長は27日、ベトナム海外労働者派遣協会(VAMAS)の ゾアン・マウ・ジエップ会長と会談し、コロナ禍での技能実習生への日本政府の緊急対応を説明するとともに、送り出し機関の中には悪質な業者がおり、2020年1月の二階幹事長のベトナム・ダナンにおける「ならず者は許さない」との発言を重く受け止めてもらいたいと釘を刺しました。さらに、NAGOMiのネットワークをVAMAS中心にベトナムに広げたいと抱負を語りました。ディエップ会長は「技能実習制度についての問題点は理解しており、悪質な業者を排除したい」と述べたうえで、VAMASは送り出す能力を高め、健全になることを働きかけていくと強調し、連携を申し出ました。
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▽11月25日午後 ベトナム・ハノイ市到着
▽同26日午前 チャン・ビン・ミンVTV会長と会談
▽同26日午後 首相府でマイ・ティン・ズン官房長官と会談、グエン・ゴック・ティエン文化・スポーツ・観光大臣と会談、山田滝雄・駐ベトナム日本大使主催夕食会
▽同27日午前 ゾアン・マウ・ジェップVAMAS会長と会談
▽同27日午後 グエン・キム・ソン・ベトナム国家大学ハノイ校総長と会談、日越大学学部新入生との懇談会(トー・フィ・ルア日越大学名誉学長同席)、レー・ホアイ・チュン外務次官主催夕食会
▽同28日午前 グエン・コオン・ガーベトナム友好組織連盟会長と会談(ルア氏同席)
▽同28日午後 ルア氏主催昼食会、帰国
■日越大学 学部日本学プログラム新入生との対話
武部会長「地球村の住人としての夢を持って行動」
武部会長は11月27日、日越大学理事長であるベトナム国家大学ハノイ校総長のグエン・キム・ソン総長らと会談し、10月に開設した日越大学学部日本学ブログラムなどについて意見交換しました。その後、武部会長はト・フィ・ルア日越大学名誉学長とともに学部の新入生10人と日本語による懇談会に臨みました=写真=。
冒頭、武部会長は、自分自身が日越友好議連会長だったことに触れ、2013年の日越外交樹立45年周年記念の折、ベトナム側会長だったルア氏と議論し、日越関係を担う人材開発のための事業として日越大学構想について提案したことなど設立に至る経緯を説明しながら、「帰国したら(10月に日越大学でスピーチした)菅義偉首相には必ず伝えますので、今日は、みなさんとなんでも話したいと思います。これからも、手と手をとって頑張っていきましょう」と挨拶しました。
グエン・フオン・タオさんは「日越大学の教養教育(リベラルアーツ教育)の理念に魅力を感じ、今年の大学入学試験は日越大学しか受験しませんでした。将来は、博士号を取得し日越大学の教員になるため頑張りたいと思います」と抱負を語りました。
レー・カム・トゥーさんは「日越大学が日本政府とベトナム政府が協力して設立された大学と知った時、ここは間違いなく自分の未来を輝かせるための場所だと思いました」と声を弾ませ、将来は日本の大学に進学して外交官を目指す決意を示しました。
新入生がスピーチをした後、来賓のルア氏は「皆さんの日本語はとても上手だと思いますが、それだけでなく、どうやって越日友好関係のシンボルになれるのか、その友好関係に貢献できるのか、是非ともより深く考えてほしい」と感想を語りました。武部会長は「皆さんが日本語を学ぶという小さな夢だけではなく、より大きな地球村の住人としての夢を持って行動してほしい」と励ましの言葉をかけました
■東亜総研の技能実習生の入国が10月3日から再開
北海道・広尾町の拓殖工業などへ配属
2020年4月よりコロナ感染拡大のため技能実習生の入国は完全にストップしましたが、10月3日、東亜総研で6カ月ぶりに6社12人の技能実習生が入国することができました。その後、11月は8社29人、12月は11社43人が無事入国しました。
東亜総研北見によると、技能実習生は1カ月間、あけぼの成田国際研修センターでの講習を経て、それぞれの企業に配属して1カ月の講習を行います。講習期間のうち16日はホテルでの待機となり、待機中も教材を使用しリモートで日本語の学習を進めるとのことです。
入国した技能実習生のうち、11月4日、北海道・広尾町の拓殖工業株式会社(武田泰幸社長)にグェン・ゴック・バオ・チャウさん、ブイ・ニュー・ロンさんの2人が配属されました=写真右端がチャウさん、左から2番目がロンさん=。配属後オリエンテーションでは、技能実習を始めるにあたり、同社同席のもとで東亜総研担当者から(1)技能実習生の本分(人が本来尽くすべきつとめ)(2)ここは日本です(3)一番の相談相手は会社(4)時間を守る(5)安全のために(6)会社には守るものがある(7)体のことは我慢しない(8)日本語が上手になるためには(9)宿舎は会社のもの(10)休日もあなたを守るために(11)正しい情報をもとに行動する(12)自分の在留資格を理解する――などについて実習生にも理解しやすい日本語およびベトナム語で説明しました。
■JICAモンゴル国観光調査を受託
東亜総研など共同企業体 11月からコンサルタント等契約
公益財団法人東亜総研、株式会社近畿日本ツーリストコーポレートビジネス、株式会社クニエの共同企業体は10月27日、独立行政法人国際協力機構(JICA)の一般競争入札(総合評価落札方式)で「モンゴル国持続可能な観光開発に係る情報収集・確認調査」を落札(受託)しました。応札した6つの共同企業体のうちで、コンサルタント等の経験能力、業務の実施方針等、業務主任者及び業務従事者の経験・能力の評価である技術点でトップに立ち、これに価格点を加えた総合評価点で最高点を獲得しました。
JICAの公告によると、事業の目的は「調査対象地域の観光開発に関して過去にJICAが策定したマスタープランや関連調査結果及びモンゴル国全体の観光セクターの現状を把握した上で、それぞれの調査対象となるルートを中心とした観光セクター及びその関連産業の開発を目指した今後のJICAの協力可能性を検討する」とされています。業務種別は基礎情報収集確認調査などを行うコンサルタント等契約で、契約期間は2020年11月から2021年9月まで。
武部会長は北海道・モンゴル経済交流促進調査会長を務め、過去に日本・モンゴル友好議員連盟会長としてもモンゴル国の観光促進に尽力した実績があり、今回のモンゴル国観光調査に東亜総研などが応札するきっかけになりました。